続く春があるあなたへ

 

 

お元気ですか。忙しい日々を送っていますか。

ようやくお医者さんに慣れてきた頃でしょうか。

今日は2016年3月9日です。

 

一度だけふっと未来を見せられて、その時のあなたはとっても白衣の似合うお医者さんでした。

 

澄んだ青空を見上げて、すこし悲しそうに微笑むのはいつのあなたでしょうか。

 

10年以上も経つのに、あなたのことを忘れた日は1日もありませんでした。変なの。

 

あの頃のあなたと同じように、人が死のうが生きようがどうでもいい、と思ってしまう瞬間がわたしの日々にはあります。まだまだガキです。頭でっかちの。口先ばっかりの。

 

あれから、タキシードは仕立て直しましたか?

鉢植えをお見舞いに持ってきた人はいましたか?

あれから、水族館へ行くことはありましたか。

誰かに、犬とかいるかとか、ペンギンの話とかしたりしましたか。してないといいな。

 

ガーベラ、赤いガーベラ、持っていくことはできましたか?って毎年聞きたくなるんだけど、一番に持って行ったのはあなただったよね。なんでガーベラだったのかな。大きく咲く姿に笑顔を思い出したからかな。花言葉が「希望」だったからかな。なんで赤だったのかな。クリスマスが近かったから?花言葉が「神秘」だったから?最初で最後の花束だったのかな。

 

 

白い月を見上げて、この先もあなたがずっと生きていけますように、って思い続けています。最初から生きてすらいないあなたに、生きていてほしいと。生き続けていてほしいと。会ったこともないのに。会うことなんて永遠にないのに。もう10年以上も。変なの。

 

あなた思ったことはいつもそのまま自分に返ってきてしまって、歩道橋で立ちすくむ日も、水族館へ行ってしまう日も、うまくいかないこともあるけど、ペンギンの話をしてしまう日もあるけど、元気でいてくれたらいいな。

 

 

いきてね、

ずっといきてね、麻生くん。

どこかで、桜のつぼみを見つけて、微笑んでいて。